臨床美術士さんが引き出すもの
桜が終わり、かいどうがあちこちで満開です。かいどうのピンク色も可愛い!う~ん、ほんとはもっと濃いんだけどな。
友だちが、デイサービスなどでお年寄りの方に絵や造形を楽しめるよう指導するボランティアをしています。
美大出身の彼女。子ども、働く人々、健常なお年寄りはもとより、認知症などがあるお年寄りもアートを楽しめるような指導の勉強をして、「臨床美術士」の認定を持っているのです。
彼女のお姑さんの介護をしていたとき、デイサービスで指示通りに絵を描かされているお年寄りたちを見て、それって違うんじゃないかしら?と疑問をもったのが、きっかけだったそう。
その姿はやらされている姿で、楽しそうではなかったのね。
「臨床美術士」さんたちは、作品を作ることだけが目的ではなく、その過程を楽しめるように工夫しています。
今日はその作品展を観に行きました。
プライバシー保護のために写真を掲載できないのが本当残念に思うほど、素敵な作品ばかりでした。
例えばスイカ。スイカの果肉の部分を描いています。濡らした紙に透明絵の具をのせてぼかし、瑞々しさを出しているのですが・・・・。
描く前に、触ったり、香りをかいだり、切るときの瑞々しさを観察したり、それこそ五感で味わったあとに制作に入るのですって。
だから作品のスイカは、水分をたっぷり含んだ美味しそうな果肉です。
宇宙、桜の木、りんご、かぼちゃ、大根の絵やちぎり絵・・・願いをこめた石を忍ばせて作られた土の造形。
歌を唄たったり、思い出話を語り合ったり、本物の素材を触ったり、匂いをかいだりして導入するんですって。・・・記憶をくすぐって感性が目覚めるのでしょうね。
どれも胸打たれました。
素材の特質をよく知って、色々な技法を熟知しているからこそできる指導。
彼女はアートに限らず、生活の様々なシーンで工夫を惜しまない人。
そんな彼女の優しい心が届いて・・・・
嬉しかったこと、辛かったこと、幸せだったこと、悲しかったこと・・・・胸にいっぱいしまって淡々と生きているお年寄りの心の扉がトントントンと開かれて、素敵な色が、絵が広がっていた。
さて、その後実家へ。
実は昨日は父の命日でした。
お線香をあげてから、作品展で撮ってきた写真を母に見せると、
「あら~!素敵!私もこういう先生に習いたい!こんなふうに描けたらどんなに楽しいかと思う!」
と大興奮。母も友だちを知っているので、さすがだと感心しきり。
「私も、引き出してもらいたい!」
そりゃそうでしょう。私だって、引き出してもらいたいもーん!(#^.^#)
最近私のまわり、頑張っている人がいます。
お互い引き寄せあっているのだと感じて・・・・私も今の忙しさをひと段落して、筆を持とう。(*^_^*)
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