「アンジェリケ」と「彼方へ」
「アンジェリケ」
花瓶に生けられた淡いピンク色の花の絵。
空気に溶けてしまいそうな柔らかな色彩と筆致。その花を受けとめる、半透明の紫色の花瓶に私の心は奪われました。この半透明の柔らかな光、グラデーション。なんて、静かで、清楚で優しく、それでいてはっきりとした意志を持っているのでしょう。
「彼方へ」
彼岸花のような葉のない、茎の長い、真っ白な花の群生。
地面を漂う霧の流れの中に静かに密やかに咲く花たち。
絵の構図と色彩が幻想的で、夢の中のような、どこかに迷い込んで見た彼の地のような感じさえしました。霧が漂う足元から、たくさんの華奢な白い花は宙に同化するように、溶け込んでいきます。山吹色が雌しべの意志を主張するかのように描かれながらも、その雌しべさえ、やがて宙にとけこんでいくのです。
ここは、こちらと彼方への境界線なのでしょうか…
写真を載せられないのが残念です。
友だちは美大を出ています。専攻は日本画ではありませんでしたが、さすがに基礎をみっちりやった確かさを感じます。それは、単に技術ということにとどまりません。表現することへの思いの深さにもそれを感じるのです。
胸がいっぱいになって帰ってきました。素敵な絵をみせていただいて、ありがとう!
帰ってから、昨日食べ切れなかったマロンクリームのシュークリームでお茶をしました。とっても心が豊かな気分です。
目を閉じると「彼方へ」が浮かび、自分の魂が漂っているような気持ちになります。
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