遊香会 2010年 美しい日本人
今年は千駄木にある、大正の近代和風建築「旧安田楠雄邸」を借りきって行われました。
一回目は明治神宮の隔雲亭で、二回目は神田明神の神田の家で。いつも素敵な場所で催されます。四季折々の自然と共に暮らすことの美しさを、いつも教えられます。
さて、今年の遊香会は賑やかです。
昨年同様、友人のNさんMさんも来ています。私も、この日のために私の「ままごと的着付け教室」で着付けをマスターした友人のOさんと一緒。
そして、私たちを招待して下さったKさんの娘さんNちゃんもきました。Nちゃん、私の幼稚園の教え子です。
そんな訳で、いつになくみんな華やいだ気持ちで臨んだ遊香会でした。
今回は「宝船香」でした。
ランダムに選ばれた六種類のお香が回ってきます。初めの2つ、次の2つ、おしまいの2つの香りが同じ香りか違う香りかを当てる遊びです。
お作法に従って初めの2つの香りを聞き(嗅ぐではなく聞くというんです)、同じと思ったら__の記号を記紙に書きます。違うと思ったら_ _と書きます。次の2つ、おしまいの2つも同じように書きます。
3つが終わってできた記号を別表から探し、記号に記された名称を書きます。
今回は「宝船香」なので、宝船、寿老人、弁財天、布袋、恵比寿、毘沙門天、福禄寿、大黒点の八種類が記されています。
そしていくつ当たったかを楽しみます。
正解発表まで先生が、床の間の棟方志功のお軸と、室町時代に作られた、耳が蝶の形の青銅器を紹介。
正解は一覧表になって回ってきます。全部当たれば「叶」と書かれています。
私は一つしか当たりませんでした。
先生曰く、
「外れなのは健康な証拠。全部当たればセンスがある証拠。それぞれによいのですよ」
お香の後は、隣の座敷にお茶席が用意されています。小学生の男の子、女の子たちが茶菓を運んでくれます。日本人としてのお作法が身に付いて、男の子なんかとても素敵ですね。
お茶席からの眺め
お茶席を後にして、安田家の立派な家の中を見学。ここは安田財閥の家でしたが、数年前に日本ナショナルトラストに寄贈されました。今はナショナルトラストの方たちによって築70年のこの家は守られています。家の中では、床を傷めないために靴下着用が義務付けられています。
廊下は右が畳敷き、左が板張り。お客様が畳を、家人は板張りの上を歩くのだそうです。
廊下の天井も立派です。
ガラス窓が美しい。ガラスの表面にゆがみのある懐かしい昔のガラスです。
お茶を運んでくれた子供たちの生けた花もあります。3年間見させていただいていて、彼らの顔も覚えて、彼らの成長も嬉しく見せていただきました。
応接室。
私たちも着物でパチリ。二人とも色無地で。私は黄色い方です。
帰りは御徒町の方に出ました。途中、「うさぎや」さんで、名物のどら焼きをお土産に買って帰りました。どらやきは、このうさぎやさんが作り始めたそうです。
家に帰って、お香に招いてくれた友人Kさんからいただいたお土産を開いてみると・・・・^^
お礼の手紙には、縁起のよい和歌がしたためてありました。そして千代紙の船には、当たりますようにのことばと共に「宝くじ」が!まさに、宝船です。
辺りには上品な良い香りが漂っています。桃色の千代紙の中には、Kさんが調合してくれたお香が入っているのです。
なんて、細やかに手をかけた素敵なお土産でしょう!
家に帰っても尚、夢の世界の余韻に浸る時間をプレゼントしていただきました。
遊香会ではいつも、日本人の感性に感動したり誇りを感じます。
その中には色々な種類の感性や誇りがあります。
四季の自然を感じ表現する感性。
その空間の中でゆったりとその感性を使って遊ぶ豊かな遊び心の感性。
自然の与えた豊かさを大切に、他のものはそぎ落としていく感性。
お作法の流れの中で、平常心と静かな心を取り戻していく感性。
日本人の誇れる感性です。
お茶席で先生がおっしゃたこと・・・
「日常の当たり前のことをすること、それをただ静かにコツコツとできる人こそが本当の貴人なのです」
障子越しの決して明るくはない静かなお茶席で、それはまさに日本人ならではの美しい生きる姿勢・・と心に染みました。
Kさん、今年もまた貴重なお時間をありがとうございました。Nちゃん、一緒に肩を並べてお香を楽しめたなんて、夢のようでした。あの、かけっこが速くて、可愛いくて優しかったNちゃんとお香で遊んでいるなんて、時間は不思議です。
最後にKさんが手紙にしたためてくれた歌を。先生もお席で、この歌を紹介してくださいました。
長き夜の
遠のねむり(ねふり)の
皆目覚め
波乗り船の
音の良きかな
平仮名表記にしますと・・・
ながきよの
とおのねむ(ふ)りの
みなめざめ
なみのりふねの
おとのよきかな
この歌、回文になっています。最後から読んでみてくださいね。
長き夜の夜は、世に置き換え、船は不音に置き換え、不音≒静か≒平穏無事で、平穏無事の世の中が、回文のように永遠に続きますように・・・ということで、とても縁起のいい歌にできているのだそうです。
この歌を2度書いて、枕の下に入れてお正月を迎えるとよいとうことですよ。
これまた、言葉遊びの好きな日本人の粋な遊び心ですね。
最後まで読んでくれてありがとうございました!最後にクリックしてもらえると嬉しいな
初めてのお香体験は想像以上に素晴らしいものでした。
旧安田邸。
丁寧に使われ磨き込まれた日本家屋のなんと気持ちの良いこと。
家自体が呼吸をしているようです。
初心者にもわかり易い丁寧な説明の後に流れるような美しい動きで次々と運ばれるお香。
ちょっぴり緊張しながらも見よう見真似でお香を聞き、感覚と相談しながら記号を書いていく楽しさ。
結果は・・・超健康でした!(笑)
私たちがこの雅な遊びを楽しんでいる間、主催者の皆さんはどれだけの準備と気配りをしてくださっていたのでしょう。
ゆったりと流れる時間に気持ちよく身をゆだね、眠っていた感性がゆっくりと目覚めていくようでした。
日本人ならではの美しい時間の過ごし方ですね。
こんな素敵な体験をさせて頂き、ことりさんのお友達に心から感謝しています。
頂いた手作りのお香の香りを楽しみながら心地よい感覚の余韻に浸っています。
そしてことりさん。
この日のための「ままごと的着付け教室」本当にありがとう!!
楽しかったね!
また着物でお出かけしましょうね♪
着物を着て、お香の席・・・夢が叶ってよかったですね!^^
夢はやっぱり叶えなければいけませんね。
でなければ夢のままに終わってしまうものね。
夢を叶えようとするおーこの姿に、学ばせていただきました。
小さなことでも、夢は叶えよう!^^v
こんな良い思いをさせていただけたのも、Kさんのお陰様。
本当に有難いですね。
Kさんの着物も帯も帯揚げも着物姿も素敵だったね。
お土産も、心遣いがとてもとても美しかったね。
たくさんの感動と学びをいただいた遊香会。
おーこ、私たちも精進して、もっと着物が似合う女性になりましょうね!
ありがとうございました。m(_ _)m
拙い会でしたのに、そのように感じて頂けて、
とても、とても嬉しいです。
お二人のお着物姿、とても美しかったです。♪