ごちそう様、ありがとう

 学食のバイト、3回目に行ってきました。
少し慣れて、子どもたちの顔を見る余裕が出てきました。

 食器をさげる子ども達と対面しながら食器を洗ったのですが、「ごちそう様」と言う子が少なくてびっくりしました。タクロウは家族にも、ラーメンやさんでも、タクシーの運転手さんにも、誰にでも大きな声で、「ごちそう様」とか「ありがとうございました」と言います。私の生活の中では当然のことでした。

 ここは2桁の東大合格を誇る学校。でも、ほとんどの子が黙って食器を返却して行ってしまいます。そんな中で、ごちそう様と言ってくれる子がいると、本当に嬉しくなります。食器は、軽くゆすいでから返却するのですが、ごちそう様を言う子は、すすぎも丁寧です。
ごちそう様を言える子は、感謝を感じるセンスが育っているのでしょう。

 うちの様子が垣間見られるようです。

 一人の中学生は、ラーメンのゆでたまごもチャーシューも残したものをお盆ごと私の目の前においていこうとしました。初めての学食体験だったようなので、残飯は捨てること、食器はゆすぐことを伝えると、おもむろにラーメンのつゆの中に手をつっこんでゆでたまごを掴もうとしました。つっこんだものの、あわてて手を引き上げると苦々しい顔をして濡れた手を振っています。
 私も予想外の行動に目が点になってしまいました。ゆでたまごを捨てるとまた、どんぶりをゆすがずに行ってしまいそうになります。、ひとうひとつどうしたらよいか優しく教え、なんとか返却にこぎつけました。 

 ゆでたまごを取るにも例えば、何故、箸や蓮華を使わないのかしらとか、何故周りの人を見ないのか、友達に聞かないのかしら、私にわかるまで聞いてもいいわけだし…。勝手な想像ですが、家では全部お母さんがやってしまうのかなぁと思ってしまいました。その子は恥ずかしい思いをしたことでしょう。
私は、全部終わったとき、心をこめてありがとうございました、と言いました。

 ごちそう様を言う子にも、言わない子にも「ありがとうございました」を心こめて言いました。

 私が幼稚園に勤めていた時、入園式の日から子ども達に「ありがとう」をたくさん言いました。同じくらいたくさん「どういたしまして」も心をこめて言いました。たくろうが生まれてからも同じです。「ありがとう」をたくさん言われたら誰だって「ありがとう」をたくさん言いたくなります。

 
 片付けも終盤になった頃、一人の中学生(一年生)が緊張した面持ちでやってきました。そして「醤油ラーメンおいしかったです」と緊張したまま言いました。

 私の心にパーッと明るくて暖かいものが広がりました。
「美味しかった?!ありがとうございます!嬉しいわー!」
もう一人のバイトさんも
「ありがとう!また食べに来てね!」
その子は耳を赤くして目をふせたまま
「はい。また来られたらきます」
と律儀に応えて帰っていきました。

 「嬉しいね!可愛いね!疲れが吹き飛んじゃうね!」

 初めて食べた学食のラーメンが彼にはとっても美味しく感じたのでしょう。けれどそれを伝えるには勇気がいったことでしょう。それでも伝えるというのはすごいことです。
彼は純粋に美味しかったことを伝えたつもりだっただけでしょうが、私たちはとても幸せな気持ちを味わいました。疲れも忘れるひと時でした。私たちを勇気づける素晴らしい一言でした。


 こんな一言を言える勇気を持った子に育てた家庭は暖かい家庭なんだろうなぁとまたまた想像してしまいました。

 私も、ますます一人ひとりの子どもたちに「お待ちどう様」「ありがとうございました」と心を込めて言おうと決意を固くしたのでした。



 人に貢献するって、こんな一言でもできるのですね。彼本人は気づいていないでしょうけれど、私たちを勇気づけるという貢献をしたのですね。

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by housewife_life | 2009-04-25 23:07 | 日常 | Comments(8)

Commented by のん at 2009-04-26 08:21 x
素敵な学生さんですね。ブログを読ませていただいて
私もとても嬉しくなりました。
言葉にして相手に伝えることは本当に大切なことですよね。

言葉を伝えた方も、言葉を受け取る方も、やさしくなれて明るくなれる言葉を
私もたくさん口にしていきたいな…って思います。
「ありがとう」が一番好きな言葉です。^^

Commented by ひろ at 2009-04-27 23:15 x
そうなんですよねーーー・・・
「いただきます」「ごちそうさま」
私も、食事の挨拶を言う習慣のない人と、最近ほんとによく会います。
うちのダンナもそうですが・・・
ダンナのご家族の方も全員そうです。
そういう習慣のないご家庭みたい。
ダンナは私の2つ年下ですが・・・
ダンナのお友達も・・・そういう子がほんとに多いです。
みんな良い子たちなんですけれど・・・

私は、家でも外食でも
ステキな料亭でも、ファーストフード店でも
何かいただく時はかならず言います。
別に自慢しているわけじゃなくって単に習慣なんです。

ダンナにはこれから習慣になるよう、頑張ってスリコミ中です♪
Commented by カンチャン at 2009-04-28 10:16 x
非常に勉強になる「お話」ですね。
多くの人に幸せと気づきの喜びを与えておられることりさんはすごい人だと思います。きっと、ことりさんの育ったご家庭とか環境はすばらしかったんでしょうね。ことりさんからすればごく当たり前のことがわれわれは気づいてないことが多いです。ありがとうございました。
Commented by さゆりん at 2009-04-29 10:32 x
人様の前で恥をかかないように育てる…私には反省するところがあります。
挨拶については言わない大人も多いですね、見本となる大人にならないといけませんよね!

人に喜んでもらえる それが仕事のやりがいになりますよね。日々こういう事に勇気づけをいただく心 ことりさんの素敵なところなんですね♪
Commented by ことり at 2009-04-29 17:12 x
>>のんさん
そう、今思い出しても顔がほころんでしまいます。
言葉に出すって本当に大事ですね。
のんさんも「ありがとう」が大好きですよね。
のんさんの生活にはありがとうが溢れていて、他の暖かさも溢れていて、私は大好き。
ありがとうって言わずにいられない時、気持ちは幸せでいっぱいですよね!
Commented by ことり at 2009-04-29 17:24 x
>>ひろさん
そうかぁ…じゃぁきっと、ひろさんは旦那様にとって大切な役割のある人なんだ!
「ありがとう」って、言いなさいって言われて言えるものじゃないし、言われる心地よさが溜まってやがて、溢れだしてくるものかもしれない。
こどもも心からのありがとう(笑顔付)を言われていたら自然に出てくるように思うの。おかあさんが「ほら!ありがとうはっ!?」なんて目を吊り上げてたりすると言わなくなる…。
旦那様は、ひろさんに他のことでもたくさん教わるっていうのが出会いの一つの神様の計らいのような気がするの。
ひろさんって、そういう役割があるように前から感じていたんだぁ。
そういう器があるって。
うん!幸せな旦那だ。…って一人で納得してしまうことりです^^;
Commented by ことり at 2009-04-29 17:34 x
>>カンチャン
すごいなんて恐縮です。
私は本当に有難いことに、暖かい人に囲まれて、優しさに恵まれて育ち暮らしていると思います。
そういう環境の中で育ったことが何よりの宝なんだと気づくのには年月がかかります。両親が私の中に残してくれた大切宝物です。
Commented by ことり at 2009-04-29 17:44 x
>>さゆりんさん
儀礼的な挨拶でももちろん気持ちがいいものですけれど、心からの言葉って伝わってきますよね。そんな大人の言葉が、若い人たちの心に大切なものを育てるのかなぁ、見本になるのかなぁと思います。
私はそういうことばにすぐ、感激してしまう、もしかしたら得な体質?心質?なのかもしれません^^;
人に喜んでもらえると、ほんとうに頑張れちゃうから不思議ですね。恐るべしことばのエネルギー!!